行ったことないけどラジャスタン州のジャイサルメールから輸入をする理由
- 01 | インドとの取引の始まり
- 02 | 取引先のラジャスタン州は観光地として一度は訪れたい場所
- 03 | 道のりは長めの覚悟で
- – 各都市でやりたいこと
- 04 | 最後に気候とまとめ
インドとの取引の始まり
遡ること10年ぐらい前、大阪のとあるまちで店舗を構えて輸入商品の販売をしていました。主な取引先はアメリカで、ラスベガスやロサンゼルス、ニューヨークの世界的な展示会で様々なものを見る機会に恵まれました。
何度目かのラスベガスの展示会で一際目を引くブースがあり、それがインドの生地を使ったインテリア雑貨をメインで扱う業者でした。もうとびっきり派手で”うっわー何このカラフルな生地!可愛すぎぃ〜!!フガフガっ”てな感じだったんですが、その時は取り扱いのジャンルではなかったので後ろ髪引かれながら通り過ぎました。
しかし日本に帰ってからも気になって仕方なく、その業者にコンタクトしたんですが仕入れの条件が合わず断念。諦められないので何か似たようなものはないか、インドの生地ならばインドに良い業者があるのではないか?本国で買った方が安いに違いない!と、スッポン的思考でインド人と直接取引を始めたのが始まりでした。インテリア雑貨ではなく生地のみでしたが、他の国には無い独特の可愛さで、日本にファンを増やし続けています。
インドに行ってみたいけど、先人の情報がカオスすぎる件
そんな感じでインドとの取引は結構長くなるんですが、インドに行きたい欲求が高まりすぎています。できるだけ現地に赴いた方が良い取引ができるし、取引先とも信頼を築けるので、行けるところには行くんですがインドはまだ!!
なぜならば超絶ビビっているから。周りの友人知人にインドでの珍事件やインド人の怪奇行動、カオスすぎるインド体験を聞きすぎてインド怖い…ってなってたんですが、一周してインド欲が高まってまたインドを調べはじめていました。
と言ってもインドは広いので、取引先のあるジャイプル、ジャイサルメールやラジャスタン州だけなんですが、この辺りかなり魅力的!こんな世になって行かなかった後悔があるので、いつでも行けるようにインプットしておきたいと思います。
取引先のラジャスタン州は観光地として一度は訪れたい場所
歴史
今からおよそ865年前に侵略から逃れ、水源を求めてたどり着いたラージプート族によって建設され、受け継がれてきたのがジャイサルメール。戦争の多い時代に西インドの中でも安全な地域だったので人々が資産を移し、一時金融の中心になったこともあります。またヨーロッパとの東西貿易の中継地としても栄えますが、時代は英国の植民地支配に突入します。英国がボンベイやカルカッタなど港湾都市を作り、海洋貿易の発展や鉄道網の建設したことによって、陸上貿易は急速に衰退しました。その後インドは英国から独立しますが、パキスタンと2国に別れて独立。国境が引かれ他ことにより流通通路が遮断され、およそ30年間にわたってこの地域は完全に忘れ去られた町となってしまいます。
しかし再び街が蘇るきっかけとなったのが石油の採掘です。これをきっかけに運河や国道、鉄道が敷かれ、この地域の価値が見直されました。70年代半ばから本格的に街の保存と復興計画が始まり、現在では黄砂岩でできた町として”ゴールデンシティ”と呼ばれる観光都市となっています。忘れ去られていた時代があったからこそ残っている宮殿や住居、モスクなど、約500年を経た現在も当時のまま、人々の住む貴重な文化遺産の街として歴史の匂いを残した状態で存在しています。
文化・特色
ジャイサルメールが東西貿易の中継地として潤っていた時代、商人によって中東や遠くはアフリカ、ヨーロッパ諸国から様々な物資が取引され、金融や商業だけでなく、戦争の避難所にもなっていたので学者や文化人、芸術家などが集まっていました。そんな背景からこの地域の建築物や彫刻、壁画などにその歴史を見ることができます。
ジャイサルメールはタール砂漠と呼ばれる砂漠の中央に位置します。壁で囲まれた街の中は高層化した珍しい石造りの街になっています。それを見下ろすようにジャイサルメールフォート。この城は城塞として城の中にまた街がある、という作り。街中には伝統的建築様式の建物や緻密な彫刻を見ることができ、ホテルとして宿泊できるそうです。画像で見る限り基地感強めの城の中で生活体験ができるという、好きな人にはたまらない観光地になっています。
画像はギーやナッツを混ぜ込んだ甘めのパンのようなものとレンズ豆のカレー。食に関して言えば地方都市なのでやや素朴な感じ。とは言えやはり基本はカレーです。ローカルフードは屋台等で楽しめそうです。
そして私の好きな”衣”のジャンル。インドの織物、特に綿織物はヨーロッパより先に始まった歴史のある産業です。プリントの発祥はインドという説もあり、草木や人・動物をモチーフにしたプリントと植物染色が特徴で、今でも伝統的な手法で作られています。
そんな歴史のある織物産業はインドの各地で独自の特色を持ち、有名なカシミール地方のパシュミナ、西部グジャラートのミラー刺繍やバンダニ(絞り染)、北インドのチカン刺繍など数多くあります。それらを使って作られたのがサリーで、そのサリーをリサイクルして作られたのがカンタキルトです。
各地の市場にテキスタイルマーケットがあり、画像で見ただけでもカラフルで興奮します。こんなに歴史のある布産業のある国に行ってないなんて…布好きとは言えませんね。
道のりは長めの覚悟で
さあ一番楽しい行程、具体的にインドに行く計画を立てていきたいと思います。メインはジャイサルメールなんですが、ピンクのジャイプールとブルーのジョードプルも行きたい。位置関係はこんな感じ。
数十年前に比べると格段に行きやすくなったとは言え、物理的距離はデリー→ジャイサルメール間で直線でもおよそ650km、東京→広島ぐらいの距離。1州でこの距離って、インドデカすぎ。飛行機一択な訳だけど、どうやら日本からの直行便は出ていないようで、ニューデリーからの国内線乗り換えがベスト。
ルートはニューデリー→ジャイプール→ジョードプル→ジャイサルメール→ニューデリーがベスト。
実際スカイスキャナで調べたかったんだけど、今はコロナ禍なのでデータがありません。なので色々なサイトの情報を頼りにまとめるとこれがベストウェイっぽいです。
- ニューデリー→ジャイプール : 飛行機(所要時間:約1時間 金額:約2400円)
- ジャイプール→ジョードプル : 列車(所要時間:約6時間 金額:280−1200円)
- ジョードプル→ジャイサルメール : バス(所要時間:約6時間 金額:約500円)
- ジャイサルメール→ニューデリー : 飛行機(所要時間:約1時間半 金額:約6000円)
※ 1INR = ¥1.42(2021/1時点のレート)
色々乗ってみたいので、全交通手段を駆使しての移動です。
各都市でやりたいこと
ジャイプールはブロックプリント製品で世界中にファンの多いアノーキ(Anokhi)があります。他にも多数テキスタイルの会社がありますが、中にはワークショップをしているところがあるので是非参加してみたい!
郷に入ったらすぐ従うタイプなので、すぐにサリーに着替えて街歩きしたいです。ブルーシティーの壁とカラフルなサリーのコントラストがたまりません。サリー着て、即席ヒンドゥー語喋って、インド人ヅラしてラッシー飲むという妄想をしています。
さいごに気候とまとめ
タイヤが溶けるほど熱いアスファルトという衝撃の映像に恐怖した記憶があったので、一応気候もチェックしてみたら砂漠地帯なめんなの40度超え。ただ想像以上に冬シーズン(ベストは12−2月)はいい感じの気温なんですね。
東南アジア移住経験があるので猛暑期の体へのダメージと、食べ物の危険性は身に染みてわかっています。随分お腹は鍛えられましたが、インドは衛生的にも不安があるのでできる限りベストな条件と備えで望みたいところです。
タイトルの通り世界の各地に取引先があると行く理由ができるよね、と思い色々な国との取引を楽しんでいます。今のところオランダ、トルコ、ウルグアイ、ブルガリアとオンライン上で取引をしたことがあるものの、全然その国のことを知りません。これからもっともっと世界に興味を持って、実際行くとなると人生足りるかな?と不安になります。世界中なんとかなって欲しいと願うばかりです。