好きで好きでたまらない事を考えたら世界中の布を集める旅に出たくなった

本当に好きなものがあるのは幸せだ

最近好きなことをして生きていく系な本が流行ってますね。逆に好きじゃない仕事してる人に問いたい。WHY?なんてふざけてたらパンチをお見舞いされそうですが、人生短いので人にどう思われようと好きに生きるが勝ちです

まあそんなコンテンツを見ながら思ったんですよ。自分の好きで好きでたまらないものってなんだろう?生まれた時から選択肢の多いこの世の中で、ずーーーっと変わらず長い間好きな”モノ”、”コト”ありますか?私は基本執着心が薄いのでないかなと思っていたんですが、唯一ありました!

それは生地が好き!自分で自覚はあったんですが、あまり意識したことはありませんでした。でもよくよく考えてみると幼稚園児の頃から、つるつるしたサテン生地を触りながら寝る子供だったんです。小学校から高校の時は生地から自分で何かを作っていたし、高校卒業後は服飾の学校行ったし、そして海外で色々な生地に出会って今では生地を売ってる!おお〜現在まで繋がってる!

好きなものを深掘りしていく楽しみ

今回は私のフェチ話をしたいんじゃなくて、私の好きな世界の素敵な伝統的な生地をまとめたかったんです。各国で色々見てきましたがまだまだ知らない物もあるだろうな〜と思っていたにも関わらずあまり調べることもなかったのでここでシェアしつつ、自分もインプット。

基本的に生地全体が好きで、コットンやレーヨン、ウールみたいな素材別で好きっていうのもありますが、一番はパターン(柄)ですね。

プリント物から織り柄まで国によって全く違う個性があって本当に見ていて飽きません。素材も天然のものを手染めしたり、動物の毛を使ったり、リサイクルしたり。

国の歴史的背景とか気候とかそういうのが凝縮されていて、カルチャーを感じるのも魅力かもしれません。暑い国の生地は色使いとかも最高なんですよね!刺繍や織物、キルトなど種類はバラバラですが、まるっと布というくくりでまとめています。

世界の伝統的な織物や生地文化

パッチワーク

USA(アメリカ)

最初に海外の布に出会ったのはアメリカのヴィンテージのパッチワークベッドカバー。見たことの無い可愛いプリント生地の組み合わせや斬新なパッチワークの柄にズッキュン一目惚れでした。70年代のヒッピー文化においては、ファッションとしてパッチワークが用いられています。斬新デザインと農耕時代を感じるカントリーな生地の組み合わせが何ともアメリカらしい遊び心のある素敵な生地文化です。

メキシカンテキスタイル

MEXICO(メキシコ)

メキシコの生地の特徴はこの素敵なカラーリングにあり!暑い国特有のカラフルな色の組み合わせは真似できないセンスです。元々は男性用伝統衣装として、時にマントや毛布、寝具として、時に革命の旗として歴史とと共に様々なシーンで使われてきたサラペ。今ではメキシコの象徴としてラグやタペストリーなど土産物などにも多く用いられています。

ペルー民族衣装

PERU(ペルー)

メキシコと類似した文化を持つ南アメリカ、ペルーの織物。マチュピチュやアルパカ放牧が有名ですが、そのアルパカの毛で織られたニットやラグなどが凄く可愛いんです!織り柄はシンプルですが色の組み合わせもメキシコよりマイルドで、見れば見るほど欲しいものが。現地の民族衣装も派手で可愛いですね。絶対に行きたい国上位だけど、死ぬほど遠い!生地&アルパカ…行くしかない国です。

インドハンドブロックプリント

INDIA(インド)

あっまーい砂糖菓子食べたり、バターとチーズ重ね塗りファットサンドウィッチを日々食べているインド人から作り出されるこの可愛すぎる生地。どうなってんの?インド。色使いも柄も絶妙なインドのテキスタイルは世界中の女性に大人気です。木版でインクを重ねていく手法で、かなり原始的な伝統技術です。北インド地方の文化で歴史は紀元前からとかなり長い!受け継がれてきた伝統は今でも変わらず、人々に愛さる素朴で優しい雰囲気を纏う生地になっています。洗いざらし感のあるコットン生地で何にでも使いやすく、何を作っても可愛い大好きな生地です。

ウズベキスタンシルク

UZBEKISTAN(ウズベキスタン)

イカットと呼ばれるウズベキスタンの絹絣(かすり)織物で、風合いがエレガント。色もセンス良くて高級ブランドで扱われるぐらい素敵な生地です。シルクロード中間あたりの文化なので色々なエッセンスを吸収して作り上げてきた伝統なんでしょうね。手法も独特で手が込んでいます。現在ではインテリア雑貨や服飾小物などに多く使われています。この辺りの文化は独特で旅行に行きたいところ沢山ですよね。

トルコペルシャ絨毯

TURKEY(トルコ)

中東といえばペルシャ絨毯など敷物が有名ですが、私はトルコのキリムが一番柄的に好きかな。キリムは遊牧民族による毛織物で、テントや寝具として日常的に使われていた物です。遊牧の仕事の合間に女性たちによって作られたもので、それぞれの個性が模様に表現され同じ柄は存在しません。今では機械で作れるようになってしまいましたが、古いキリムは希少価値があり高値で売買されています。その価値がある、圧倒的に手の込んだ素晴らしい柄は見ていて飽きません。

アジアンバティック

INDONESIA/MALAYSIA(インドネシア・マレーシア)

東南アジアを旅行したことある人はどこかで見かけたことがあるであろう、バティック生地。元々はインドネシアとマレーシアが有名。蝋で模様を描き染色するろうけつ染めと呼ばれる手法が特徴です。世界遺産にも登録された伝統的な生地は独特の味わいのある色柄で、東南アジア地域それぞれの特色をプラスした仕上がりになっていて面白いです。私は明るいカラーを使ったマレーシアのバティックがお気に入り。

アフリカンバティック

AFRICA(アフリカ大陸)

アフリカだけ大陸名なんですが、アフリカは国の文化というよりは大陸の文化っていう感じなんですよね。アフリカのバティックはインドネシアのバティックに影響を受けていて、ワックスプリント(ろうけつ染め)が特徴です。柄に地域の特徴があり、連続プリントのキテンゲ、メッセージ入りのカンガ、ストライプ織のキコイなどが有名です。現代のバティックは機械織りになり色柄がポップで可愛く、色々なアイテムに使われ世界中で認知されるようになりました。原色使いレベルが高くてもはやアート。日本にもファンが多い生地ですよね。

モロッコキリム

MOROCCO(モロッコ)

可愛いもの天国モロッコに行かずしてどこに行く?っていうぐらいモロッコは織物が死ぬほどイケてる!生地と言うよりはラグなどの織物が有名でキリムを始めベニワレンやボシャルウィットなどメジャー級が勢揃いです。暑い国だけど派手すぎない色使いが日本人にもグッとハマるんでしょうね。世界中にファンがいるのも頷けます。

ハンガリーレース刺繍

HUNGARY(ハンガリー)

ハンガリーの伝統は生地と言うよりもカロチャ刺繍と呼ばれる刺繍の方なんですが、これがもう可愛すぎる!昔は糸を染色する技術がなかったので、白一色のレース刺繍のようなものでした。そのうち染色技術が浸透し、第一次世界大戦あたりからカラフルな刺繍の文化が根付いたようです。ランチョンマットのようなものからエプロン、ブラウスなど胸キュンアイテム揃いです。ハンガリー、いまいち位置が分からないけど、刺繍のマーケット行ったら発狂しそうだな!

う〜ん、やっぱり生地が好き。世界のほんの一部のテキスタイルしか紹介していませんが、実際は何十倍と言う数のテキスタイルが存在します。昔から受け継がれてきた手法を大事にしつつ、時代に合わせて進化し続けるテキスタイルの世界は飽きることがありません。

私もまだまだ知らないものの方が多いですが、見つけたり探したりする手間を残しておきたいので、今回はこのぐらいにしておきたいと思います。

書いていて気がつきましたが、生地以外にも私が好きで好きでたまらない事は海外に行く事ですね。なんだかんだ常に海外に行くように物事を繋げようとしています。とりあえずこの2つがあればテンションがマックスになれるので、幸せかもしれませんね。

では、素敵な出会いと旅を!


World Textiles: A Visual Guide To Traditional Techniques