“BASE”と”Shopify”ECサイト使ってみた感想と比較
こんにちは。コロナ禍も3年目に突入。まさかこんなに終わらないものだなんて、想像もしませんでした。海外現地買付などしていたのですが、全てオンラインになってしまいました。そろそろ行けるか?と思っていたら戦争が始まっちゃって、もはや未来は霧の中状態です。
近年の市場調査から見えること
そんな中ECサイトの時代を迎えました。実店舗に代わって代償問わず多くの企業が参入してきました。実際の数字を見ても全ての分野が右肩上がりで、特に物販系は順調に伸びています。デジタル分野では、メタバースの普及でこれからまだまだ市場規模が拡大するかもしれませんね。
そして2019-2020各市場におけるEC化率がわかるのがこちら。
物販系分野のBtoC-EC市場規模
他の市場規模も一応添付。自分の働く市場と比較してみると面白いと思います。
サービス系分野のBtoC-ECの市場規模
デジタル系分野のBtoC-EC市場規模
やはりコロナの影響がダイレクトに数字に反映されていますね。おそらく2021−22のデータではデジタル分野のシェアが大きくなっていると予想します。そしてサービス系の分野は日本の場合、厳しい現状が続きそうですね。海外ではほぼコロナ前に戻っているような国もあるようですが、見えない敵なのでいつどのように変異して感染が再拡大するかわかりません。他の事業でなんとか乗り切って欲しいです。
ECプラットフォームの比較
そして私の事業は物販の⑤と⑥に関連しているのですが、2019年はコロナショック的な感じで一時売り上げが落ち込みましたが、2020年に盛り返しました。むしろアクセス数が伸びて新規顧客が増えました。今まで実店舗でしか購入していなかった人も、これを機にECサイトでのショッピングを試してみようという心理なんだと思いますが、前回書いた行動心理学でもあるように、一度利用して物を使い続ける理論があります。なのでこれを機にECを使い始めた人は今後も継続して使う人の確率が徐々に多くなってくると考えます。
私はコロナ前にBASEを利用して小さなビジネスを始めました。それまでに輸入中間業者や実店舗での小売、オンラインはBUYMA・YAHOO!・お茶のこ・パッケージ業者(注文建設)を利用していた経験がありました。
BASEは当初アプリなどなく、本当に全くの陸のない太平洋にポツンと店舗を構える形のSPA(建売建設)でした。ニッチな輸入品を扱っていたので、インスタグラムなども併用してなんとか、ゼロから認知してもらえるまで1年ぐらいはかかったかと思います。そしてコロナの影響で需要が伸び、少ないですが割と安定して利益が発生しています。
そして次に試しているのが黒船と噂の”Shopify”です。一番試してみたいと思ったポイントはやはり越境EC。海外と頻繁に取引していた経験もあったので、いつか輸出してみたいというのは頭にありました。やってみるか!と思い立ったのは2021年。コロナはまだ続くだろうし、ウェブプログラミングをある程度使いこなせるようになっていたので、これは勉強にもなると思ってサイト構築から始めました。現在は開店から2ヶ月がたったところです。
これからECを始めようと思っている方に、私が色々調べた3社の比較テーブルが参考になるかもしれませんので、シェアしたいと思います。
Shopify | BASE | stores | |
月額費用 | $29/$79/$299 | ¥0 | ¥0 / ¥2178 |
決済手数料 | 3.4%/3.3%/3.25% | 6.6%+¥40 | 5% / 3.6% |
入金手数料 | Shopifyペイメント有効で¥0 | 2万円以上¥250 2万円未満¥750 | 1万円以上¥275 1万円未満¥550 |
入金サイクル | 日曜日締め金曜日払い | 申請から10日営業日 | 月末締めよく月末払い |
入金オプション | なし | お急ぎ振込1.5%で 翌営業日振込 | スピードキャッシュ 1.5-3.5%翌営業日 |
商品登録数 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
1商品の画像数 | 250枚 | 20枚 | 15枚 / 30枚 |
テンプレート数 | 無料9種・有料100種以上 | 無料11種・有料50種以上 | 無料48種類 |
アプリ数 | 5300以上 | 80以上 | 30以上 |
コード編集 | ○ | ○ | × |
独自ドメイン | ○ | ○ | stores内で新規取得のみ○ |
ロゴの非表示 | ○ | 月額¥500 | スタンダードプラン限定○ |
SNS連携 | Facebook/instagram/ twitter/pinterest/tiktok | Facebook/instagram/twitter | Facebook/instagram/twitter note/ |
独自集客 | Shopify Markets・ Shop App | payIDアプリ・ pop up shop | × |
SEO対策 | ○ | ○ | × |
ブログ | ○ | ○ | × |
カゴ落ち | ○ | ○ | × |
対応言語 | 20カ国語 | 英語 | 英語 |
POS機能 | ○ | × | ○ |
予約システム | ○ | ▲予約販売はあり | ○ |
クーポン | ○ | ○ | ○ |
チャット | ○ | ○ | × |
この表をまとめた後、実際にこれらのプラットフォームを用いて作られたサイトをかなり調べまくって比較しました。どうやってわかるのかというと、それぞれのプラットフォームのテンプレートに特徴があるので、複数見ているうちに見分けがつくようになります。
例えばBASEは右上のショッピングカートとテントのマーク(有料で消してるサイトもありますが、カートアイコンが大体同じなのでわかります)、
STORESはフッターのコピーライトのところにpowerd by Storesの記載を消していない人が多いのと、右上の四角いLOGINとカートボタンが特徴的です。
Shopifyは支払い方法のアイコンがフッターにずらりと並んでいるので一発でわかります。
このような特徴を参考にそれぞれのプラットフォームを使ったサイトを探して分析してみてください。
個人的に使用して思ったこと
そして、それぞれのプラットフォームのホームページや使用されているサイトを見て、私なりに思ったことを下記にまとめました。
当時storesはすぐに除外しています。なぜかというと個人的にはテンプレートが古い印象で、何より自分の思い描くサイトと違っていたのが大きいです。shopifyほど斬新さもなく、BASE ほど画期的でもない、選ぶ理由がない感じでした。ですが、久々に確認したところ現在はかなり今風なテンプレ増えていて、stores自体のホームページも洗練されたものに変わっていました。なので今始めるのであれば検討の一つになるかもしれません。
そしてBASE。第一印象はこんなオシャレなテンプレートが使えるのか!とそれまでお茶の子やパッケージで見ていたテンプレとは段違いのおしゃれさに感動しました。そして驚きの初期費用なし。コロナ以降はすごい勢いで機能がアップグレードしていて、販売の基本機能が全て揃っています。
そしてBASE は全くの小売素人で始めてもある程度見て貰えるマーケットが整っている、というのが最大の強みだと思います。売り上げ上がらないんじゃない?とか言ってる暇があれば、少しでも早く始めることをお勧めしたいです。
そして黒船と噂のShopify。真剣に越境に取り組みたいと思っている方は、今の所国内プラットフォームの中ではshopify一択なのかなと思います。shopifyはグローバルなプラットフォームなので、世界のECで必要な機能やサービスが揃っています。特に驚いたのがカスタマーサービスの質の高さです。一つの質問に対してきっちり回答が返ってくるのは基本で、プラスここはこうした方がいいのでは?など自社サイトに対してアドバイスやメッセージを添えてくれる人もいました。AIでの返答ではなく、人の優しさやきめ細やかな対応がとても勉強になり、本当に素晴らしい企業だなと感じました。是非カスタマーサービスを利用してみて下さい。
2社の特徴的なポイントをわかりやすくまとめてみました。
BASE | Shopify | |
手軽さ | めちゃくちゃ直感的で、パソコン苦手な人でも簡単にお店が作れる | 昨年の新テーマリリースでかなり簡単になったが、カスタムによってはコードを触る必要があるので多少知識が必要、又は外部のサポートが必要。 |
カスタマイズ | 独自コードで大幅な変更には理解が必要。コードの参考例があまりない | Liquidは理解しやすく、割と細部までカスタム可能。 参考コードは英語でググれば大体ヒットする |
サイトの印象 | 簡易的、有料テーマを購入しないととても単純でシンプルすぎるサイトになる | 無料のテーマでもかなり本格仕様。海外のプロのデザインなので、お店のイメージなど出しやすい |
アプリの使用感 | 簡単、直感的、どんどん新しいアプリが追加されている。安心の日本語説明。基本無料。 | 死ぬほどアプリがありすぎて、決めるのに迷う。日本仕様のアプリもあるが、圧倒的に海外アプリが多いので英語説明。有料も多数。 |
カート仕様 | 安心の日本仕様。時間帯指定など細かい気配りがされている | 海外仕様なので時間内指定等日本特有のシステムはアプリ必須。今後に期待。越境なら問題なしのシステム。 |
独自アプリ | PAYIDのアプリの導入がすごい勢い。 | SHOPというアプリが世界でリリースされたが、日本語はまだ未対応。今後に超期待。 |
入金サイクル | 申請から入金まで2週間程度かかる、クイック入金は入金額の1.5% | 翌週には売り上げが振り込まれるので、資金の回転率が良い |
越境 | 一応英語での表示が可能のようだが、配送に関しての不安あり。日本独自のテンプレートなので、海外の人が利用しやすいかわからない。 | 越境に関してのシステムは標準装備。英語のみならず20カ国後に対応しているし、世界的にShopifyのテンプレートは多く使われているので、海外の人にも馴染みのある仕様。 |
総評 | 1日あればショップ完成 | 機能が多いのシステムの理解と販売フローを確認するのに時間が必要だが、完成形がプロ仕様 |
どっちがいいの?なんて記事をよく見かけますが、結論は”扱う商品によって使い分けるべし”です。小さな規模で1点ものとか個人店舗的な運営ならBASEがぴったりですが、予約を取るような販売形態やデリバリーサービス、海外向け、大量な配送が見込まれる場合などはShopifyのそれぞれのサイトに合うアプリでカスタマイズするのがベストです。Shopifyの強みはまさにそこです。
BASEとShopifyを使っていて甲乙つけがたい点は、どちらもオーナー側に対して一生懸命発信してくれている所です。売り上げが上がらないとSPAサイドも利益が上がらないわけですから、これらは双方向で頑張れるシステムだなと思います。
特にShopifyのブログは内容がとても濃く、世界レベルでのECサービスに関する情報を受け取ることができます。ほとんどが凄く貴重で勉強になる内容です。メールアドレス登録ですぐに見ることができるので、是非チェックしてみてください。
結論、パッケージなどのサイト構築にお金をかけてきた身としては、今のほとんどリスクの低い状態でECサイトを作れるのは、とてもラッキーな環境としか言えません。まずは無料のプラットフォームで感覚を掴み、徐々に優良な機能を使ってみたり、越境を考えてみたり、ECの可能性は無限です。利用者が増えてきた分、集客がかなり難しくなってきています。未完成でもとりあえず形を作って、一刻も早く始めて1人でも多くの人に知ってもらうのが最優先です。ECは信頼を得るのに時間がかかります、というささやかなアドバイスを送りたいと思います。
現在越境に向けて商品の制作中です。私のShopifyの今後は度々報告していきたいと思います。目標は次の移住地でECの構築サポートをすること!これを最後まで読んで頂いたあなた、お互い頑張りましょう。